Dropping out
胸に7つの傷を持つ男は世紀末の覇者ラオウと戦い
背中に6つのアザを持つ男はカウンターの悪魔哲と戦う
自分の店では四川飯店で修行してきた担々麺をメインに置き
天才的な腕を発揮するが
行き付け居酒屋カウンターではカウンターの悪魔こと哲さん
その悪魔と久々の偶然、行き付けで会う
その日は日曜だったので、僕にとっては華の日曜
哲さんにとっては稼ぎ時の日曜
のはず、なのにウッカリ常連カウンター参戦
あれ?哲さん今日どうしたの?と、皆が聞くと
「娘がね~熱出しちゃって、かみさんが夜勤だから営業やめて帰るのよ~」
って、じゃ~帰れよ(笑)常連総ツッコミ
そんなものは相手にせず、My Worldを展開し
奇想天外なTalkを繰り広げる
会話はアッチコッチに飛び、ひとりカウンターの常連を敵に回し
総攻撃を物ともせず1人づつ確実に仕留めてくる
その夜も終盤もう23時事を回った頃
熱を出してるかもしれない、休む言い訳にされたかもしれない娘を待たせ
まだまだ熱いソロコンサートはアンコールにさえ届いておらず
遂に、攻撃対象を僕へと向けた
「あらきさん、痛いトコ治ってない割に整体行ってないらしいね~」
確かにここのところ3週間おきにしてこじらせてた事をよくご存知で
「昼間整体の先生のトコ行ってね~浮気してるんじゃない?って話してたのよ~(笑)ウソウソ」
このウソウソは本当だ、何てことを言ってくれてるんだ(笑)
「あらきさんは働いてる割に凝ってないから行ってないんでしょ~」
間髪あけずグイグイで攻めてくる
「もう私なんか働いてないようでバッチリ働いてるから凝っちゃって、見てよこれ」
自慢気に諸肌を脱ぐ
その背中には中国整体奥義「吸玉療法」のあとが!
・・・・うっすらピンクな痕が(笑)
今まで我慢して一撃で仕留められるチャンスまで泳がせてた甲斐があった
「何?そのうっすら(笑)?全然凝ってないもの~」と僕が煽る
「またまた~、よく見てよ~痕付いてるでしょ?」とグイグイ背中を近づける哲さん
「哲さん、これ見てよ」
「こういうの痕付くって言うのよ」と僕は鼻で笑う
「え?どうしたの?どこで?整体の先生のトコ行ったの?」流石の哲さんも動揺
偶然のチャンス、閉店後速攻で中国整体からの行き付けカウンターが功を奏すとは
「こんなになるの?凄いね・・」こんなに言葉少なげな哲さん働いてる時以外で初
ぐぅの音も出まいとニンマリする僕
すると今までの会話はなかったコトにして哲さん
「花粉症がひどくて」と鼻をかみ、目をしょぼつかせる
「あらきさん花粉症は?」
「物心がついた頃からのヘビーユーザーだったけど卒業したよ」
「え~?卒業なんてあるの?俺もしたいんだけど」
「哲さん、休んでばっかりだから出席日数足りないんだよ(笑)」
「・・・・中退はないの?」
勝てる気がしない・・・
2015年3月27日