✂偽りなし✂
はい傑作発見!
読み終わったのはラビューの中
「革命前夜」須賀しのぶ著
まずはこの帯よ
「文庫担当が今、1番読んでほしい本
不意に出会ってしまった傑作に
しばらく他の本が手につかなくなるくらいの
放心状態となりました」
更に裏には
「この国の人間関係は二つしかない。
密告するかしないか。」
「歴史×音楽×青春
絶妙すぎるバランスで読者を物語の世界へ引き込む
圧倒的エンターテイメント!!
おもしろくないわけがない!!」
これよ
絶賛!
怖いくらいの絶賛!!
それでかえってなかなか読めなかった本
ちょっと重そうだったのもあるけど
昭和から平成に変わる頃
音大を卒業したピアニスト眞山は
東ドイツに留学する
優秀な学生、共産圏からの留学生に圧倒され
自分を見失い
自分の音を探し
ある時、教会で啓示のようなオルガン奏者に出会う
そこは冷戦下の共産主義
ベルリンの壁崩壊前の東ドイツ
国家保安省が厳しく国民を監視し
食料から生活必需品まで枯渇し厳しい生活
モノクロのような生活
そして西はカラフルな生活
抱く想いや抱く不審
そんな中、様々な出会い、出来事が起きる
眞山はピアニストとして成長できるか
いや~最初ホント戸惑った
バッハ知らないし
クラッシックが不精な僕にはなんのことやら
そして共産主義下の東ドイツ
煤けた街の理由
亡命と監視
裏切りと密告
これもまた理解するまで時間がかかった
眞山本人が壁にぶつかり苦悩する重さが
そのまま僕にのしかかって来るかのような
だけれど中盤以降はすべてがミックスされる
ソロからオーケストラへ
すべての要因が読むペースを加速させる
中盤以降は鳥肌のシーンが続き
こうなったかと思えば
更に先があり
全ては歴史へとつながる
「蜜蜂と遠雷」は聞こえないはずの音楽が聞こえたけれど
今作はそこに歴史と人間関係
それも様々な国からの留学生と
改革派と保守派の国民も
重厚
この帯の宣伝に間違いなし
ピアノが無性に聞きたくなった
2021年10月28日
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