✂まち✂
以前、同著者の『ひと』を読んで
大分温かな気持ちになれたので
評判の良い次作
『まち』小野寺史宜著
幼い頃、両親を亡くし
尾瀬の歩荷を営むじいちゃんに育てられた瞬一
(歩荷=山小屋へ担いでの荷物運び 時には100kgの荷も)
高3になる時、じいちゃんの後を継ぎたいと話すと
意外にも「東京へ出ろ」と諭される
よその世界を知れ
人と交われと
それから4年、アルバイトをしながら
江戸川区のアパートで
ゆっくりとじっくりと生活を送りながら
隣人やアルバイト仲間とつながっていく
そして・・
この作者の特徴なのか
「ひと」もそうだけれど
それなりの山場があるのに
淡々と書かれる日常に溶け込まれ
す~っと流れるように進んでいく
こんな風に穏やかな気持で暮らしてみたいと思う
瞬一の優しさは両親やじいちゃんから受け継いだものか
または片品村での生活からそうなるのか
そしてそれをもって東京で人とつながっていくと
そこには優しい人達が
勿論嫌なヤツもいる
それでもじいちゃんの数々の名言にヒントはあり
その中でも
「人に頼られる人になれ、人を守れる人間になれ」
は素敵な言葉
ただ、本でも出てくるけれど
人間の根幹は変わらない
枝葉は変われるけれどってw
だから中々そうはなれないんだろうなぁww
そしてやっぱり今作も読み終わると
優しい温かな気持ちになれる
これは次もいっちゃうかな~
2023年3月31日