✂怪物✂
ちょっと問題作
これは・・・どうなんだろう?
万人受けは絶対にしない
でもハマる人にはドハマリ
「TAR」
ベルリン・フィルで、
女性として初めて首席指揮者の座を掴んだ
リディア・ター
その絶頂、創作、指導者としての苦難のとき
指導していた若手指揮者が――自殺したという
その訃報をきっかけに
彼女の世界は少しずつ崩れ始める
という前フリに惹かれ借りてきて
まるでドキュメントのような作風
激しい動きはなく淡々と進むが
じわりと・・だんだん崩壊へ
この作品の監督が
「何がなんでも叶えたかった夢が叶った途端、
悪夢に転じるというキャラクターを描きたかった」
まさのこれ
トップ指揮者として己に厳しく常に凛としている
だからこそ他人にも厳しくあるのだけれど
それは受容される範囲を超えると
傲慢、エゴとなり
トップだからこそ
見えるものと、見えなくなるもの
それがじわりと物語から流れ出てくる
すると最後の30分は怒涛
ラストは・・・
賛否が絶対ある
でも見なければ賛否も言えない
勧めるかといえば・・
難しい
でも見終わった後
正直、声が出た、唸った
問題作
ある意味傑作
今振り返ると
今年一番か?
2023年8月11日
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