One step to an adult
「私カトパンに似てるってよく言われるの」
そこにいた全員しばらく頭の上に????
と浮かんで、思考が停止し、理解するのに時間が必要だった
カトパンってなんだろう???
アナウンサーの・・・???
そして理解した時、誰も言葉を発しなかった
言ったもん勝ちだ
レッドウィングこと赤羽の行き付けで
やはり常連仲間の僕より年上の女性
ポッチャリさんでここ数日の暑さの中
自転車こいで店までたどり着くと
暑い暑いと汗を拭きながら
こんな日はビールよね
って立て続けに流し込む
僕はやはり常連仲間のおじさんと
若干、ギリギリセーフ、セクハラボーダーライントークで
盛り上がってたんだけど
その女性はむしろその手のトークに混ぜろって
会話をかき分け入ってきて盛り上がり
ちょうど話が途切れた時
いつも店の前、歩道を挟んだところにある
バスの停留所からバスが発車し
耳の中にいつもあるバスのアイドリングが消え
激しい通りの車の往来が途切れ
喧騒がやみ
店先の風鈴がぬるい風にゆらされ
おあいそにと鈴と鳴る
一瞬の静寂
その時でたセリフ
「私カトパンに似てるってよく言われるの」
これは彼女が悪いわけでもなく
この数日早く明けた梅雨のせいで
35度を超える暑さが続き
熱と湿度の塊の重い空気をかき分け
外を出歩くのも億劫な
この異常な陽気の中
仕事をし
自転車をこぎ
やっとたどり着いたオアシス
ビールで喉の渇きが癒え
発汗作用もようやく一段落しつつ
彼女の夏、いつだったかの夏を思い出した時
くわえタバコの煙と同時に出たセリフ
僕らは煙がセリフを具現化したような錯覚に落ち
余計混乱した
誰も声を発しなかったんだけど
頭の中では色々スパークした
僕は常々
カピバラに似てるなって思ってた
いや、かわいいよカピバラ
そもそも僕だけではない
以前「誰々さん会ったことある?」
って聞かれ「名前覚えないから特徴は?」
「強いて言えばカピバラに似てる」
「あ~分かった、会ったことある!!」
って話にもなっていたんだから
これはある意味常連の総意だ
で、カトパン
勿論美人だ
演技が下手だろうとブラックペアンにも出る
アナウンサーの枠を超える、元アナウンサー
そのカトパンを
大きく、人類を、幾つかの動物にジャンル分けするとするなら
僕は
カピバラに似てると思ってる
大きく、大き~く広げた範囲で
だから
彼女の言ったことはあながち間違いではないのかもしれない
カピバラ似の彼女と
人類を幾つかの動物に例えた時
カピバラのジャンルに入るカトパン
だからこの方程式に当てはめ
証明:「カピバラに似てるよ」
(カトパン似はあながち間違いでない)
って声に出しそうになる
でも
「言いたいことを言う」のと
「言わなければいけない事を言う」
を知る45の夏
スパークリングワインが喉を詰まらせ教えてくれた
2018年7月15日
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