✂金魚姫✂
電車の中でダラダラと読み
年齢のせいか早朝というよりも
夜中に目覚め寝れなくなったときに読み
そんな積み重ねで読み終わったのが
「金魚姫」荻原浩著
念願だった彼女と付き合い
同棲し始め
彼女との経済格差をなくそうと転職するも
すっかりブラック企業に入社し
睡眠導入剤とアルコールなしでは眠ることもできなくなり
それは鬱症状とも自覚する前に
彼女は出ていき
鬱症状と認識した頃には日常的に死を意識
そんな頃、夕飯を求め祭りに行き
気まぐれで金魚掬いをしたことで手に入れた
美しい琉金(金魚)に「リュウ」と名付けたのが「潤」
その夜、赤い衣を纏った美しい女性が現れる
それが「リュウ」金魚の化身と認識した頃には
この世のものではない生活に振り回され
ブラック企業・パワハラなど気にならなくなり
また死んだものが見えるようにもなり
ブラック企業の仏具販売で成績が伸び
徐々にリュウとの生活が楽しくなってくる
ファンタジーのような作品
潤の絶望的な日々から
リュウとの出会いで変わっていく自分と人生の物語
リュウがなぜ?金魚として千年以上生き続けてるのか
その理由を知る物語
この2つの話が軸にあるんだけれど
ポップで笑っちゃうような金魚の化身と青年の日常から
2つの軸が交わる時に明かされる謎
「全ては繋がってる」
このキーワードを理解する
これはひと夏のお話
だからちょうど夏に読めてすごく良かった
ほっこり幸せを感じ
夏の西日が少し苦くなる
いいお話でした
2022年9月30日
« ✂夜長の断食Night✂ ✂劇場✂ »