✂ひと✂
この前、ちょっと重めの本を読んだので
次は軽いやつって事で読んだのが
『ひと』小野寺史宜著
写真の帯にも出てるけれど
様々な賞を受賞してる作品で
期待大
高校まで過ごした鳥取から
大学進学のため
都内で一人暮らしする20歳の柏木聖輔
だけれど
高校生の時、父が事故死
そして20歳の秋、母の急死
1人になってしまう
裕福な家庭ではなかった
むしろその逆で
残ったお金はわずか
なので奨学金を借りたとしても
返せる自信はなく
大学は中退し、就職のあてもない
ショックで動けなかったある日
空腹で砂町銀座商店街のお惣菜屋さんで
財布に残る50円で買える
最後に残ったコロッケを買おうとするも
見知らぬおばあさんに譲る
そこから縁が生まれ
広がっていく青春物語
両親を失うところから始まるので
重めの話のようにも思うけれど
そこは勿論丁寧に書かれてるけれど
何もなくなったところから
新たに築いたものは「ひと」
出会ったひとの中には嫌なひともいたけれど
動き始めたことで繋がる優しいひと達の物語は
心を暖かかくじんわり染みる
あっという間に引き込まれ
あっという間に読了
いい作品でした
読みやすいので普段読まない方にもおすすめです
2023年3月1日